道路に舗装することは、何となくイメージできる方は多いはずです。
一方で、歩道の舗装はどのようにして施工されるのかわからないという方は少なくありません。
そもそも舗装とはどのような工事を言うのでしょうか。
今回は、そんな舗装や歩道に関する疑問について解説を行い、施工する方法についても解説しましょう。
そもそも舗装とはなにか
歩道の舗装について解説する前にそもそも舗装とはどのようなものでしょうか。
ここでは舗装とはどのようなものなのかを解説しましょう。
舗装とは?:意外に知られていない事実
舗装とは、従来の地面に特定の材料を使用して固めることを言います。
これによって地面の耐久性を向上させて、さらに移動しやすいように平面にします。
安全で快適に移動ができるようにすることです。
舗装というとアスファルトを敷くことをイメージしますが、アスファルト以外の部材を使って施工することも舗装になります。
次の項目では舗装の部材、材料について解説しましょう。
舗装の材料は?
舗装の材料は次のようなものがあります。
・石
・木
・砂利
・アスファルト
・コンクリート
・土系舗装材(どけいほそう)
・ブロック
まず、石は過去に使用されていた舗装の部材です。
神社や歴史的な史跡になどになっている宿場町の路面に使用されている石畳などがこれにあたります。
石によって強靭な舗装を行っており、今でも一部の場所で舗装の材料として利用されることがあります。
木は、木を土に敷き詰めることで舗装します。
市街地では目にすることが少ない材料ですが、自然界で入手しやすい観点から農場や登山道などの歩道で舗装の部材として使用されています。
砂利も昔から使用されてきた舗装の部材です。
実際に縄文時代の歩道跡に砂利が敷き詰められた痕跡もあり、これが日本最古の舗装した歩道といわれています。
現在でも住宅の敷地内に砂利で舗装されていたり、アスファルト舗装されていない林道などで現役の部材です。
アスファルトは舗装のイメージが最もよくされる部材です。
原油などに含まれる炭化水素で重質なものになります。
石油由来の部材で比較的近代化になって舗装の部材として利用されるようになりました。
安く、車が走りやすいことから急激に車道の舗装における主流の部材となり、世界中でアスファルトによる車道が施工されています。
歩道の舗装として用いられることもあり、歩道の舗装を見たらアスファルトだったというケースも少なくありません。
コンクリートも舗装の部材として利用されています。
コンクリートは雨の日でも凹凸ができにくく、強度の高い部材として知られており、こちらも近代になって急激に使用されるようになりました。
最後の土系舗装 (どけいほそう)とは、天然の素材(土や砂)の粒子を結合する結合材との混合物で舗装する部材です。
「ヒートアイランド現象」が問題視され、その原因の1つとなっているコンクリートやアスファルトの部材の代替として検討されている部材でもあります。
ただ、強度面で問題があるため歩道など比較的負荷の少ない場所で舗装されています。
ブロックは歩道の舗装に利用されることの多い部材です。
路盤の上に砂を敷いて敷砂層を作って表層にコンクリートの平盤やインターロッキング(石畳のようにパーツを並べて使用するコンクリート)によって舗装していく方法です。
石畳のコンクリート版といったイメージが合うかもしれません。
冒頭で触れたように見かけの美しさや強度などの面から歩道で積極的に用いられています。
また、過去にはレンガなどを使用することも多くありました。
歩道に舗装をする目的を紹介
歩道に舗装をする目的は次のようなものが挙げられます。
・雨天時の泥濘(でいねい)防止
・平坦化
・美観
雨天時の泥濘の防止:ドロドロからの解放
雨が降れば未舗装の場所ではぬかるみができます。
これが泥濘化と呼ばれる状態です。
このようになると足元が取られたり、靴やズボン、さらに衣服が汚れてしまいます。
そういったことが起きないように歩道を舗装する必要があるのです。
平坦化:歩きやすくする
歩道を平坦化することも舗装の目的です。
未舗装で凸凹ができている場合、そこにつまづいて転倒してしまったり、歩きにくいことから往来に支障も出てきます。
一方で、舗装することによって歩道が平坦になり、靴や服が汚れにくくなったり、躓きにくくなったり、往来も容易になります。
美観:歩道を美しく見せる
これまで機能的な目的を紹介しましたが、美観でも歩道の舗装は貢献しています。
美しい歩道にすることで街全体の印象もよくなり、美観の向上も期待できるのです。。
あえて石畳の舗装にすることで都市の景観をよりよくするという試みもあります。
単に機能面だけでなく、美観の面でも歩道の舗装を目的としています。
歩道や公園で利用されるようになった近代的な部材:樹脂系混合物
これまでブロックなどの部材が歩道で用いられてきましたが、近年では樹脂系混合物の部材も使用されることが増えてきました。
ここではその素材や構造について紹介しましょう。
樹脂系混合物とは?
樹脂系混合物とは、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などを使用した混合物を使用したものです。
ここに顔料などによって色を付けることで美観にも優れた舗装として歩道に利用されています。
樹脂系混合物を使った舗装の構造
樹脂系混合物を使った舗装の構造は、砂利などの路床の上に砕石やクラッシャラン(原石を割っただけの部材)を敷き、その上にアスファルトやコンクリートを基層として施工します。
そして表層を樹脂系混合物で舗装するという形で構成されているのが特徴で、かなり近代的な舗装になっています。
まとめ
今回は歩道の舗装について、そもそも舗装とは何かというところから解説を行いました。
舗装といえばアスファルトをイメージしますが、実際は土からブロック、コンクリート、そして最後に紹介した樹脂など多くの材料が用いられています。
ただ、目的は歩きやすさやぬかるみの防止といった機能的な面や美観、さらにはヒートアイランド現象を予防する熱対策といった目的も加えられつつあります。
もし、歩道の舗装面を目にすることがあればどのようになっているかイメージするのもいいかもしれません。
