NEWS 新着情報

  • TOP
  • /
  • 新着情報
  • /
  • ーアスファルト舗装の劣化の種類の紹介やその原因を解説ー

2023.12.22

ーアスファルト舗装の劣化の種類の紹介やその原因を解説ー

路面の舗装は、コンクリートや土といった工法も含まれますが、一番よく目にするのはアスファルト舗装ではないでしょうか。
このように多くの場所で目にするアスファルト舗装は全体でみると多くの場所でひび割れの劣化を引き起こしているのを目にするはずです。
そこで今回は、アスファルト舗装を施工した場所でどのような劣化が起き、その原因はどのようなものなのかを解説しましょう。

 

わだち掘れ(わだちほれ)

わだち掘れとは路面の1か所にへこみが生じた際にわだちのような形で発生します。
このような形で起こるわだち掘れは次のような種類があります。

 

・沈下によるわだち掘れ
・流動わだち掘れ
・摩耗わだち掘れ

 

沈下によるわだち掘れ

地下水が影響して舗装した路床や路盤が支持力を低下させてしまったり、施工時に転圧不足や交通量が多い場合に発生します。

交通量が多かったり、工事不良だったり、あるいは地下の原因だったりといった要因によって発生します。

 

流動わだち掘れ

気温が高く交通渋滞がよく起こることが原因で発生するのは、わだち掘れです。
気温の上昇によってアスファルトが軟化してしまい、そのような状態の中で交通量が多いと変形し、劣化によって発生します。

 

摩耗わだち掘れ

雪国に多い、わだち掘れです。
これはタイヤチェーンでアスファルト舗装が削られて徐々にえぐれていくことで起こります。

 

ひび割れ

文字通りアスファルト舗装にひびが入った状態を言います。
これは次のような2種類が挙げられます。

 

・線状ひび割れ
・亀甲状ひび割れ

 

線状ひび割れ:直線状に続くひび割れ

線状ひび割れはわだち部分の走行や沈下によって発生します。
施工上の原因も挙げられ、コンクリート床板とnジョイント部分が分離してひびが表面にも影響を与えるといった原因で発生するのものです。
また、路面の下に雨水が流れて空洞化し、それによってひび割れが発生することもあります。

 

このほか、温度変化の激しさによる温度応力によるひび割れが起こります。

 

亀甲状ひび割れ:亀の甲羅のような放射状のひび割れ

路床や路盤の支持率低下によって放射状にひびが入った状態です。
わだち部分のへこみに反応して他の舗装部分が引っ張られることが原因となります。
ほかの要因として紫外線やアスファルト自体の劣化によっても発生します。

 

幹線道路の劣化:ポーラアスファルト舗装の破損

幹線道路はアスファルトの舗装ではあるものの、透水性や静音性に優れたアスファルト混合物である、ポーラアスファルト舗装が施工されています。
ここもはくりを中心とした劣化が発生し、ひびやこれまで紹介したわだち掘れのような現象を起こすこともあります。

 

幹線道路で交通量が多いことや隙間の詰まり、潰れなどが汚れによって発生することが原因です。

 

平たん性の低下

平たん性はアスファルト舗装が劣化すると徐々に低下します。
その原因は次のようなものが挙げられます。

 

・ブリスタリング
・段差
・くぼみ・寄り
・コルゲーション

 

ブリスタリング

舗装内部にある水分の蒸発によって圧力が発生して起こる劣化です。
舗装内部の空気層が発生して舗装のはくりやくぼみ、表層が丸く盛り上がるといった劣化も発生します。

 

なお、さな気泡や直径数10cmほどほどの膨らみが所々にみられ、ブリスタリングは「舗装表面の膨れ」を意味するブリスターという英語から来ています。

 

段差

舗装したの構造物の劣化や破損が原因で起こる現象です。
ボックスカルバートと呼ばれる箱の形をした水路のようなものが埋設されている場所や路盤の下に構造物がある所は沈下せずに残って段差のような状態が出来上がる仕組みです。

 

くぼみ・寄り

くぼみは局地的に周りより高くなったり、低くなったりしている状態です。
寄りはこぶ状に変形した劣化です。

 

原因として、くぼみは長時間の車の停車による荷重の一点集中、油によるアスファルトの溶解による支持力低下が挙げられます。
一方、寄りの原因は舗装の不均一です。
最初の舗装になるプライムコートや続くタックコートが多すぎたり、不均一になったりといった原因で発生します。

 

コルゲーション

アスファルトの軟化とプライムコート、タックコートの施工不良が原因で発生します。
車のブレーキによって横方向に短い間隔のでこぼこが出来た状態です。
コルゲーションとは、英語で波形やしわといった意味があり、まさに劣化が発生している場所は波形のしわが寄った劣化も見られます。

 

滑り抵抗値の低下

アスファルト舗装が滑りやすい状態になった劣化です。
具体的には次のような原因で発生します。

 

・フラッシュ(ブリージング)
・ポリッシング

 

フラッシュ(ブリージング)

舗装表面にアスファルトの成分d根あるアスファルト乳剤が染み出てしまった状態です。
このような状態になると油分のような光を放つようになります。
原因としてはアスファルトの量が過剰だったことやもともと施工時に散布したアスファルト乳液の量が多い場合です。

 

ポリッシング

ポリッシングは、すり減り現象です。
原因として挙げられるのがアスファルト原料構成です。
石灰石のようなすり減りやすい骨材を使用すると発生しやすくなります。

 

劣化によって多くの現象が起こる

アスファルト舗装の劣化によって滑り抵抗値が低下することでポンピングやズレ、ポットホールなども起こります。
まず、ポンピングは路面材がひび割れた状態から噴き出してくる現象です。
雨水や地下水が路盤材に侵入した状態で車が通ると発生します。

 

ずれはアスファルト舗装の層同士の接着不良や劣化によって発生する以上です。
表層と底面にある基層とがズレてしまうことでひび割れやでこぼこ状態になります。
原因は舗装間に水が侵入して層同士で剥がれたりすることで起こる現象です。

 

ポットホールは局部的なはくりを言います。
原因は支持力不足やアスファルト混合物の品質不良が原因で、雨が多い時期に発生する点も特徴です。

 

まとめ

今回は、アスファルト舗装の劣化の種類として、わだち掘れ、ひび割れ、補足としてポーラアスファルトの破損、平たん性の低下、すべり抵抗値の低下を紹介しました。
これらはほとんどの原因が外的要因であり、気候や交通などの環境要因よって劣化が進行します。
劣化による舗装の破損が起こったら、十分な機能が発揮できなくなるため、種類に応じた適切な補修を早期に行って改善することが重要です。