土木工事に携わりたい、建設会社で土木部門に入った、仕事で土木関係者と接することが多い、そのようなケースは少なくありません。
このような場合、一番問題になるのが土木工事の基礎知識や専門用語です。
しかし、自分で調べようと思ってもその用語の多さから途方に暮れることも少なくありません。
そこで今回は、土木工事で知っておきたい基礎知識をテーマにポイントをピックアップして解説しましょう。
土木工事の現場で知っておくと便利な基礎知識の用語
土木工事の現場で基礎知識の用語を知っておくと土木工事で仕事がしやすくなったり、土木工事関係者とのコミュニケーションが円滑になります。
そのような基礎知識として次のようなものが挙げられます。
・会話で出てくる用語
・部材関係の用語
・部位の用語
会話で出てくる用語
会話で出てくる用語を知っていると、言っていることが分かるでしょう。
まず、安全帯は体に装着して命綱をつけるチョッキのような装備です。
高所作業で必須になります。
KY活動はKiken Yochi(危険予知)の略です。
土木工事の現場で危険を洗い出し、退避方法や対策を立てることを言います。
基礎知識を知る前に安全第一が土木工事の原則です。
きちんと出席して理解しましょう。
詰め所(つめしょ)は休憩所兼会議室でプレハブ小屋などに設置されています。
養生(ようじょう)は土木現場が水でぬれたり、よごれたりしないためにブルーシートなどをかけることを言います。
墨出し(すみだし)は作業現場にラインを引いたり、目印を引いたりする作業です。
現場のトップクラスの技術を持つ方が担当します。
新規は、新しく現場に入る際に作成する新規入場者教育届けを言います。
説明を受けて現場の状況を理解し、書類に生年月日や氏名を書いて現場に入ることが必要です。
部材関係の用語
部材関係は多くの用語があります。
ざっと基礎知識的な用語を羅列すると次のような言葉が挙げられます。
・コーン
・RC(アールシー)
・型枠(かたわく)
・型枠足場(かたわくあしば)
・キャットウォーク
・桟木(さんぎ)
・立馬(たちうま)
・ねこ
・トランシット&レベル
・生コンクリート
・アンカーボルト
コーンは、一般の場面でも出てきますが、三角柱の形をしたプラスチックの柱です。
カラーコーンとも呼ばれ、進入が厳しい場所に設置される器具です。
RCは「R」einforced 「C」oncrete=鉄筋で補強(Reinforced)した、コンクリートと鉄筋の複合材料を言います。
鉄筋コンクリートと言えばイメージしやすいのではないでしょうか。
型枠はコンクリートを打設(流し込む)際にコンクリートの型となる枠を言います。
型枠大工と言われる専門の職人が現場で組み立てや解体をしてくれます。
枠組足場は、型枠と異なる仮設設備です。
鋼管を門型に溶接された建枠に建枠や筋交などの部材を組み合わせて構成する仮設足場のことを言います。
コンクリートを流し込むことは行わず、あくまで高所作業を行うためのスペースを組み立てるための装置です。
キャットウォークは、高い場所に設置された作業用の通路を言います。
桟木は資材を置くために用いたり、屋根に使用したりする木材のことを言います。
角材のような形をしているのが特徴です。
立馬は4本足の仮設足場を言います。
折り畳みで自在に足場のような形で利用できるため可搬式足場とも呼ばれることもあります。
ねこは一輪車です。
猫の首のようにどの方向にも曲げられることから、猫の後ろ足を持っている姿に似ていることから、キャットウォーク(ネコ足場)を通れるくらい自在に操作できることから等いくつかの由来があります。
トランシット(通称:トラ)は角度を測る測量機器、レベルは高さを測る測量機器です。
それぞれ測量で頻繁に出てくる装置です。
生コンクリートは、コンクリートが固まる前の生の状態であることから、生コンクリートと言います。
生コンクリートを型枠に流すことを打設と呼びます。
アンカーボルトは、基礎と土台をつなぐボルトで基礎コンクリートから土台が剥がれるのを防ぐための部材です。
まずはこれらを知っておくと良いでしょう。
部位の用語
部位の用語としては「入隅み(いりすみ)」「出隅み(ですみ)」「天端(てんば)」「下端(したば)」といった用語があります。
まず、入隅みはくぼみの部分を言います。
2つの壁面が内向きになっている部分で入り組んでいる部分です。
次に出隅みは2つの壁面が外向きになっているでっぱりの部分を言います。
出ているので出隅みと覚えると良いでしょう
3つ目の天端は、上場(うわば)とも呼ばれ、部材の頂点を言います。
測量している場面でよく出る用語なので基礎知識として覚えておくのがポイントです。
下端は天端の反対部分、つまり部材の下面を言います。
こちらも測量でよく出てくる言葉です。
これらの部分が分かるだけでも、かなり現場で動きやすくなるでしょう。
土木工事の現場でちょっとした問題になりがちなこと
土木工事の基礎知識がないまま現場に行くとコミュニケーションの問題が発生し、現場の仕事がうまく進まないこともあります。
最後にトラブルになりがちなシーンをいくつか紹介しましょう。
垂木と桟木(さんぎ)が分からなかった
桟木の上に部材を置くように言われたものの、垂木の上に置いてしまい注意されたという事例があります。
桟木の方が細く、部材を置くことが多いのですが、取り違えて注意されるケースがあるので部材を知っておくことが重要です。
紛らわしいことに桟木も現場によってはバタ角(かく)と呼ばれることもあります。
これは桟木が角材のような形状をしているからです。
こういった現場のローカル用語も知っておくことが重要といえるでしょう。
道具が用意できない
土木工事現場では、専門用語で道具を用意するように指示されることもあります。
このようなとき基本的な道具の名前が分からないと土木工事現場でスムーズな作業ができません。
待ち合わせ場所が分からない
土木工事では待ち合わせ場所に集まって集団で作業することもあります。
こういったケースでは、専門用語が飛び交います。
場所をキャットウォーク(高所用の通路・足場)などで伝えることも珍しくありません。
まとめ
今回は、土木工事の基礎知識的な用語を中心に解説しました。
紹介した用語はごく一部で必要な用語を最小限にピックアップしたものです。
さらに建築工事と共同で行う場合や測量現場、さらに公共工事のように他業者との協業では、これらの基礎知識以外にも必要な用語は増えてきます。
そういったことも理解しながら今回紹介した内容をベースに知識を広げていきましょう。
資格取得も重要ですが、基本的な専門用語を知っておくことも重要です。
